鬼城永完

部屋のベッドに寝そべり買っている白猫をなでる
「よしよし、ユキちゃん」
「ニャー」
「やっぱり、ユキちゃんは可愛いよ…」
「ニャー」
「これからどうなっちゃうんだろうね…」
「誕生日迎える1日前に村に行くんだよ」
「へぇ……ん……」
「どうかした?」
「しゃっ…喋った!ユキが!」
「瑞葉の持ってる力だろう…。だが、しかしおかしいなぁ……」
「な…なにが……」
「普通、村について儀式が終わってから聞こえるはずなのになぁ……」
「そ…そんなの知るわけないじゃんっ」
「ですよニャー……」
「…はぁ」
「でも、実里誇の気配したニャン。禍々しい気配だったけどニャー…」
「ねぇ、ユキちゃんって一体何者!?」
「そのうち知る事にニャるが、今知るかニャー?」
「できるだけはやくがいいよ……村に行ったら多分一週間はバタバタだろうしさぁ……」
「わかったよ……。お母様から言って貰おうと思ってたけど、瑞葉が言うのニャら……。ミーの名前は白虎(ハク)。白い虎と書くのニャ。元々は人間だったがなー。でもなー、実里誇と一緒でなー、別の者になったのなー」
「なんかテキトウになってますよ!」
「そうか?まあ、いいしょ」
「え……」
「話を再開するぞ?実里誇は禍々しい者を取り込んだ…ミーは呪術師の手伝いでこうなってしまったんだなぁ。決まりの奴でなぁ。姫君と結婚出来ず余り者として呪術に付き合うことに……でも、姫君に会えたこと嬉しかった。だから、ミーは頑張れた」
「ま…まって!って事は白虎って……」
「男だ!」
「えぇ!?名前完璧女の子……」
「幼い瑞葉が勝手に白いからユキ!って付けたろ……覚えてないかなぁ?」
「全くです!」
「そうかそうか……。でな、頑張って耐え続けその呪術は失敗に終わった。そして、新たに試し始めた。それはまとめて言えば『変換術』。その変換術で何にしようとしていたのかわからないが失敗だったらしい……だが、変換されてしまったわ!白猫と化してしまったミーは、村から追い出された。喋れる白猫として……。んで、居場所がなくなってしまった。だがな、姫君が可哀想だと思ったのか十五になる前まで村を離れることになっている一家に付いていくことになった。そして、子供は十五になり村へ帰った。そして、新たな子へと……無限ループだなぁ…そして、瑞葉の元に来た。呪術の副作用のせいで不老不死。心も体も青年だ!」
「そうとは思えませんっ!」
「だろうなぁ……。戻りたいぜ全く…」
「戻り方もわかんないんだね……」
「ああ。村に入れないからなぁ……古文書も見る事ができねぇ……」
「1つ質問いいです…か?」
「いいぞ!」
「白虎って何歳……」
「うーん。あん時は16とか?姫君と結ばれる相手が複数なら数週間において決まるからな……そっからの側近の、色々だからやっぱ、15か16だな」
「若っ!中年のおっさんかと思ったよ……」
「失礼な……。まあ、あの事件から数百年…?まあ過ぎてるし……」
「……はいはい」
「とりあえず、ミーはお母様の所に行って来るぜ!しばらくは警戒してなよ…異変が起きるかもよ」
「ちょっとやめてよ」
「禍々しい気配…この家を包んでる。いつ中まで来るかわからねー。気配はミーが察知してやる。まあ、たっしゃでな!」
と、言ってドアの隙間から出て行った。
そして、私は深い眠りについてしまった。