悔しそうな千。
何かあったのかな……?
――第3クォーターが終わり、2分間のインターバル。
未だに、千から小佐田先輩へのパスはうまくいっていなかった。
けれどヌマセンは、誰も交代させなかった。何か考えがあるのか、これが練習試合なので様子を見ているのかはわからない。
そして、最後の第4クォーターが始まった。
あとたった8分。
点数は、私達は59点、西中学は64点。私達が、負けていた。
これから追い上げるはず!
そう思っていた矢先、小佐田先輩が右足首を抑えてしゃがんだ姿が視界に入った。
どうやら足首をひねってしまったらしい。
「……交代だ」
そんな小佐田先輩を見て、ヌマセンは告げた。
「芹沢」
「はい!……って、俺っすか!?」
「あぁ、お前だ。行け」