――夜、お風呂から上がり自分の部屋に入った私は、携帯を手にした。
乾かしたばかりの髪が、肩からサラリと落ちる。
さっきからずっと、心に引っかかっていた。
千に、マネージャーを辞めろと言われたこと。
そして、まだ伝えていないことがあること。
明日の練習試合を最後に、マネージャーを辞めよう。
月曜日にヌマセンに退部届を出そうかな。
本当は嫌だけど。
千の言いなりになっているわけじゃない。
ただ、千にとっての私が、少しでもかっこいい存在でありたいから。
まあ、嫌われてる時点でアウトだけど。
それでも、わがままを言って困らせたくない。
私がマネージャーをしていることに気が散って集中できないのなら、仕方ない。