気まずそうな顔で、花は頬を指先でかく。
「好きな人がいる時は、あぁいうの受け取らないって決めてるんだ」

いこう、と涼太に促され、花はすらりとした足で歩きはじめた。
さきほどの少女とは違って花は長身である。少しだけ上にある涼太との目線と花の視線がぶつかった。


「あたし、好きな人いるから」