「………別に他の奴がやればいいだろ」


学校の体育なんて、ロクな思い出がない。

混じってきた妖怪に。

他の奴は視えないからすり抜けるけど。

俺は妖怪を視える上に触れてしまうから、
妖怪を避けながらやらなきゃいけなかった。

当然、他の奴には意味が分からないし、
俺は何もないところでくねくねドリブルしてる変な奴だ。



絶対、もうやんねぇ。



「………私も前、混じってきた女の子の妖怪にパスしちゃったんだよね」

何も教えてないのに、俺の考えてることを分かってるように話し出す七波。