人生で最初で最後の高校生活が始まる。
普通はみんな楽しみなのだろう。
だが、私は周りとは違う。
楽しみではないし、むしろ行きたくなんかないのだ。

と、言いながらも付いてしまった訳だが…。
「はははは………」
うわー…みなさんお綺麗で………。羨ましい………。美男美女多いわー。笑

それはさて置き、周りが騒がしい。
「是非、美術部へ!」「テニス部でーす!見学待ってまーす!!」

部活の勧誘…………!!!!

そりゃ騒がしい訳です。

私はほとんどの部活の勧誘を無視し、校舎へと向かった。
すると途中で声がする。

「郵便部です」

耳元で男子生徒の声がしてびっくりしてしまった。
「………!!?」
「郵便部です」
「……あ、結構です…」
歩き出そうとするとヒソヒソと声が聞こえる。
「うそでしょ?あの人の誘いを断るとか」
「しかたないよ。何も知らないんだから」
「えー、でもー…」
とかなんとか。
「あーもー!」
ほとんどやけくそだ。
「その、郵便部?だっけかのチラシ!ください……!!」
私が言うとその人は一瞬間を置いて口を開いた。
「あ、はい」
渡された紙をぶんどって、私は再び校舎に向かって歩き出した。


「へー。変わってる女の子もいるんだな」
そんな声聞こえもしなかった。