『美波…ごめん。でも、俺は心配してるだけだろ?』


「あたしこそ碧のこと心配してるんじゃん!何かあったんでしょ?」


『別に何にもねーって。』


「別に言いたくないならいいよ。」


『「………」』



2人の間に沈黙が続く。


毎日電話をしていて、沈黙が続くことくらい毎日あるのに…


今日はなんだかそわそわして、碧からの返答を待ってしまう。



『はぁ…、本当に何にもないよ。大丈夫だから、ありがとうな。』



いつもだったらここで口喧嘩は終わる…


なのに、あたしは碧の小さなため息にでさえ、イラッとしてしまって。


終わりかけていた喧嘩を、また再開させようとしてしまう。



「ため息なんかつかないでよ。どうせ面倒くさいとか思ってるんでしょ?」


『なんだよ、美波。今日変だぞ?』


「何が変なのよ。碧がため息つくのにイラついただけでしょ。」


『なんでそんなにイライラしてんだよ。俺何かしたか?』


「碧は…碧は、何にもしてないけど、」


『…けど?けどってなんだよ。』