多田くんに好かれてたって嬉しいけど、困ることだって分かってるのに…
嫌われたっていいって思ってるはずなのに…
何故か突き放すことが、出来ないの。
碧はそんなとこが好きとか、美波のいいところだって言ってくれるけど、今みたいな状態になると全然いいところなんかじゃない。
「僕、諦めませんから〜!!!」
真穂と歩き出すと、後ろの方から多田くんがあたしに向かって叫んできた。
もう、そういうのが嫌なんだって…
あたしには藤川碧っていう彼氏がいるのに、こんなことされたら本当に困る。
「多田くん、本当に美波のことが好きなんだね。ちょっと迷惑だけど…」
「もう、ちょっとどころじゃないよ〜。」
「そうだよね。多田くんに好意を持たれて、ストーカーみたいなのをされてること、碧には言ってるの?」
「ううん…告白されたとは言ったんだけどね。まだ、全然そこまでは話せてない。」