「僕、美波先輩の彼氏から、美波先輩を奪う自信あるので。」



とても真剣な目でそう言う…


そんな多田くんに、またイライラが高まってきた。


さっきまでは抑えて抑えて、イライラしないようにしてたのに…


自信あるので、とかあたしにとってはどうでもいい。


そんなこと言われたって、あたしが碧以外の誰かを好きになることなんてないんだもん。


碧じゃなくて、多田くんを好きになるなんてこと、絶対にない。


多田くんには、碧からあたしを奪う自信なんて持って欲しくない。


もう…


どうしてこんな多田くんに振り回されてんの。



「ごめん…もう、今日は真穂と帰るから。」



でも、人から嫌われることを恐れるあたしは、多田くんにでさえ優しく接してしまう。


この性格、ほんとにどうにかなってくれないかな?