「どうして、どうしてあたしなの?」



多田くんは、顔も整っていて、性格だって良さそうな顔してるし、背も高くて細くて筋肉もあって…


あたしなんかを好きにならなくても、もっとカワイイ子と付き合えるのに。



「僕、初めてなんです。人を本気で好きになったのも、一目惚れしたのも。」



多田くんの目は真剣そのもので、嘘じゃないってことくらいしっかりと伝わる。


でも、あたしじゃなくてもいいじゃない…


あたしは碧が大好きで、碧一筋なわけだから、多田くんの恋が実ることはないんだもん。



「美波先輩が彼氏いるの知ってます。でも、諦められないんです。」


「こ、困るよ…」



諦められないって…


あたしよりも可愛くて、性格良くて、もっと完璧な子いるし。


そんな子で多田くんのことが好きって言ってくれる子、いると思うのに。