きっと彼は私のことを恨んでいるだろうし、私のことを見張るだろう。


なにせ、信用がないのだ。


まあそうだろう、彼が、千聖くんが、私のことを何回も許してくれ何回も信じてくれたのに私はそれをことごとく裏切ったのだ。


回数なんてもう覚えてないほど私は、浮気をした。


今日来たのは私が千聖くんの大事な親友の陽くんを傷つけないかどうかを確かめに来たのではないかと私は思う。



案の定陽くんが仕事の電話で部屋からいなくなり私と二人になるとそれまで笑顔だった顔が真顔になる。


これは彼の怒っている時の顔だ。



「...ねえ」



無言に耐えれそうになく立って何かをしようか、という時に千聖くんが小さく話しかけてきた。



「なんですか?」


笑顔のまま、だけど思わず敬語で返してしまう。