「行ってくる」


「うん、いってらっしゃい」



バタン、とドアの閉まる音を聞いて私はドアに背を向け準備を始める。


今日は平日だけど、陽くんは友達と出かけるらしい。


千聖くんかな、とうっすら思うけど千聖くんだったところで私にはなにも関係ないなと1人で小さく笑う。


九月に入ったけど大学生の私は夏休みで今日は特になにも予定がないからもうすぐ誕生日の陽くんに誕生日プレゼントを買いに行くのだ。


ぱぱっと簡単に、でも手抜きに見られないようなくらいの化粧を顔にほどこし着替えるのが簡単だからという理由のワンピースを着る。


鏡をみてニコッと笑う。



「うん、まあまあかな」