――――…………
―――………
――……


「あ〜楽しかった!やっぱり学校はいいね〜」


帰り道。
梨花子と二人でいつものドーナツ屋さんに立ち寄る。

欲張りな梨花子は、今日もお皿に大量のドーナツを置き、早速頬張っている。


毎回見てる方は呆れ気味なんだけど。
でもきっと店長もそんなところが可愛いと思ってるんだろうな……。


そう思って眺めていると、梨花子がふとあたしの方に目を向けた。

モグモグと口を動かしながら、何かを言いたそうにしている。


分かってる。
分かってるよ、梨花子。


だから今日、ここに寄っていこうって誘ったんだ。

あたしは、少しずつ飲んでいたジュースから口を離し、真っ直ぐに梨花子を見据える。


「なんで言わなかったの?って聞きたいんでしょ?」

「え……?」

「だって梨花子、さっきから不満そうな表情(カオ)してる」

「えっ?!」


自分では全く気付いてなかったのか、慌てて頬に手を当てて表情を和らげようとしている梨花子が、なんだか面白かった。