――それから話はだいぶ脱線しながらも進んでいき、大まかな内容が決まった。

仮装大会とか、そんな少しずれたアイディアも出たけど、結局はシンプルに、みんなで料理を囲みながら高校時代を振り返ろうってことになって。


パソコンの得意な男子数人が色々な写真や動画を集めて字幕つきのスライドショーを準備してくれるらしい。

しかもそれをDVDに焼いてクラス全員に配るという計画。


あたしたち女子は、買い出し係になった。

お惣菜とかお菓子とか。


梨花子は店長にお願いする気満々で。
心配するあたしをよそに「あたしの頼みなら聞いてくれる!」と絶対の自信を見せる。


ま、優しい店長のことだからきっとその日はお店を休んで、色々用意してくれるとは思うけど。


でも、なんだか羨ましかった。

好きな人のことを、嬉しそうに話せる梨花子が。

あたしにはできないことだったから……。





「あ〜なんかめっちゃ楽しみになってきたね〜♪」

話が落ち着いた後もなかなか途切れることのないトークの傍らで、あたしはただ一人ゆらゆらと揺れ動く思いと葛藤していた。