それでも「嘘でしょ?」とか「ホントのこと言っちゃえ」と、追求しようとするメンバーに、あたしはその場をやり過ごそうと必死で応答する。


「ご期待に添えなくて、すみませんねー」

なんて、嘘を重ねるたびに、ズキズキと痛む自分の心。


でも、どうしても言えなかった。

一志に悪いと思っていても、言う気にはなれなかったんだ……。


ごめんね、一志……。





――ガラッ!

「いや〜ごめん、ごめん!彼女がどうしても声が聞きたいって電話してきてさぁ!」

席を外していた男子がタイミング良く戻って来てくれて、今度はみんなそっちに食いつく。


良かった……。

とりあえず、流れを変えてくれたことにホッと胸を撫で下ろす。


だけど、盛り上がるみんなの話に加わることはできなくて。


あたしはただ一人、罪悪感と戦っていた。


……なんで言えなかったんだろう。

あんなに大切にしてくれてるのに。

……なんで言う気にならなかったんだろう。

付き合うと決めたのは、あたしなのに……。