――それから、途中で脱線しまくった梨花子の話を簡潔にまとめると、

いいバイトを見つけたから一緒にやろう、ということだった。


まぁ確かに、すでに受験を終えたあたしたちには時間があるし、あたし自身、バイトでもしようと密かに考えていた。


梨花子ほど張り切っているわけではないけど、別に悪い話ではないと思う。


だけど一つだけ分からないのは……





「それと‘トキメキ’と、どう関係があるわけ?」


あたしは露骨に疑問の表情を浮かべた。


だって、バイトって自分でお金を稼ぐためにやるもんでしょ?

頑張ってお金を貯めて、好きな服を買ったり、どこかに出かけてみたり……


あとはそうだ!!
もうすぐ18だし、車の免許を取るのもいいかもしれない。


前にママが出してくれるって言ってたけど、やっぱり少しは自分で負担しなきゃ。


……とまぁ、これがあたしの理想。

それを聞いた梨花子は「アホだなぁ、美未は」と言いながら、チッチッチッと人差し指を立てる。