自分に向けられた好奇の視線に、真っ赤になって肩を丸めたあたしは、目の前にあったミルクティを一気に飲み干した。
それでもまだ、喉はカラカラだ。
恥ずかしい……。
でもまさか自分があんな大きな声を出すなんて思ってもいなかった。
やっぱりおかしいのかな。
彼のせいで、あたしペース乱されすぎ……。
「……はぁ」
今日何度目だろうと思うくらい大きなため息を吐くあたしの傍ら。
「ん〜おいしい〜」
なんて、のんきそうにドーナツを頬張る梨花子が、なんだか恨めしかった。
つか、そのドーナツで5個目だっての!!
太るぞ!!!
騒々しい雰囲気の中、呆れた視線を送るあたしに、梨花子はドーナツを咥えたままきょとんとした表情で言う。
「……ん?何??」
……ダメだ、こりゃ。
どうやら彼女には危機感とういものがないらしい。