いじけたような表情を見せるただただ純粋な子供たち。
ジルは少し困ったように眉を潜めると諭すように言う。
「むぅ....分かったよぉ」
明らかに不満そうな顔を浮かべ、子供たちは渋々掴んでいたアスラの手を放した。
「アスラー、じゃあ.....お仕事終わったら遊んでね!絶対だよ!」
「あぁ、分かったよ」
子供たちは何とか諦めてくれたようで、そうアスラに言葉を向けるとジルとアスラを一瞥して二人に背を向ける。
ッ。
「絶対だからねー!」
そしてそのまま走り出すと最後に振り向いて念を押すように言うと子供たちは、そのまま何処かへ走っていった。
「ふぅ。
朝から騒がしくしてすまないな、アスラ」
元気一杯に走り去っていく子供たちの姿を遠目で見送り、ジルは申し訳なさそうな視線をアスラへ向けた。
「いや、構わない。
賑やかなのは....嫌いじゃないからな。
でも毎日だと少しキツいかな、ははっ」
そんな申し訳なさそうな視線を送ってくるジルに、アスラは一杯の穏やかな笑みと少々の苦笑いでその視線に答える。
「....あの子たちは、幸せだな。
あの子たちは私と違って.....あんなに無邪気に笑える。心から笑える」
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