〜1〜　







「アスラ！アスラアスラーっ！
朝だよ！朝！朝！」



ドタドタッ。
元気な足音と共に叫びながら走ってくる子供逹。
......。
まったく朝から元気が良すぎる。

アスラは布団の中で軽く耳を塞ぎつつ唸る。






ダッダッダッ。





「えいっ！｣


「むぎゅっ......っ！」



近付く足音に、だいたい予想はついていた。

っ。
寝ているアスラの身体の上に乗っかる小さな人影。
走ってきた勢いによって増幅された重みが寝起きを襲う。


しかも乗っかる小さな人影は一つでない。
次から次へと上に重なるその影にあっという間に人間タワーが完成する。








「......重い！
分かった、分かった早く起きるから早く上から退いてくれっ！」



寝起きの悪いアスラもさすがにこれには適わない。
アスラは降参とばかりに布団の隙間から両手を挙げてそう叫ぶ。








「───。
こら、私を殺す気か？まったく......」



降参するアスラを上から見下ろして子供逹は一人ずつ順番に下りていく。

ッ。
ようやく上に乗っかる人間タワーから解放されたアスラはむっくり布団から起き上がりそしてげっそりしたように呟いた。






「おはようー♪
ねぇねぇ、アスラ？一緒に遊ぼうっ！鬼ごっこするんだよっ！」



アスラが軽く命の危機を感じているとは露知らず何も知らない純粋な子供たちは煌めく視線を送る。





　

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