〜1〜
「.........とうとう、夜が明けたか」
空へと上がる太陽。降り注ぐ光。
遥か上にある天井の欠けた壁の隙間から、光が差し込み暗く閉ざされた地下の空間に朝を報せる。
地上からは、微かに聞こえる鳥の声。
清々しく何とも気持ちよさそうな鳥達の囀りが、冷たい地下牢で寝ていたアスラの脳を覚醒させる。
アスラは光の差し込む天井を見上げて、身体をグッと伸ばそうと身体を動かす。
「―――ッ」
だが、動かした瞬間に身体に痛みが走ってアスラは顔をしかめた。
痛みを堪え、アスラは自分が今拘束されていたことを思い出す。
拘束され、固く冷たい地下牢の床の上で一晩中同じ格好で過ごした彼女の身体は所々ギシギシと痛み、悲鳴を上げていた。
「この縄....本当に邪魔だな」
身体の痛みを堪え、アスラは自分の手首を何重にも重なって結ぶ縄を、心底うざったそうに見た。
縄は容赦なく絞められていて、肌に食い込み手首は鬱血して紫色の痛々しい跡が付いている。
端から見れば凄く痛々しいのだが、当のアスラは長時間そんな状況に置かれたせいか感覚が麻痺し、もう痛みは感じられなかった。
どうにか外そうと無駄な抵抗をしてみるが、やはり外れそうにはない。
アスラには、そんなこの上なく邪魔な己を縛り付ける縄を睨み付けるしか出来なかった。
「.........とうとう、夜が明けたか」
空へと上がる太陽。降り注ぐ光。
遥か上にある天井の欠けた壁の隙間から、光が差し込み暗く閉ざされた地下の空間に朝を報せる。
地上からは、微かに聞こえる鳥の声。
清々しく何とも気持ちよさそうな鳥達の囀りが、冷たい地下牢で寝ていたアスラの脳を覚醒させる。
アスラは光の差し込む天井を見上げて、身体をグッと伸ばそうと身体を動かす。
「―――ッ」
だが、動かした瞬間に身体に痛みが走ってアスラは顔をしかめた。
痛みを堪え、アスラは自分が今拘束されていたことを思い出す。
拘束され、固く冷たい地下牢の床の上で一晩中同じ格好で過ごした彼女の身体は所々ギシギシと痛み、悲鳴を上げていた。
「この縄....本当に邪魔だな」
身体の痛みを堪え、アスラは自分の手首を何重にも重なって結ぶ縄を、心底うざったそうに見た。
縄は容赦なく絞められていて、肌に食い込み手首は鬱血して紫色の痛々しい跡が付いている。
端から見れば凄く痛々しいのだが、当のアスラは長時間そんな状況に置かれたせいか感覚が麻痺し、もう痛みは感じられなかった。
どうにか外そうと無駄な抵抗をしてみるが、やはり外れそうにはない。
アスラには、そんなこの上なく邪魔な己を縛り付ける縄を睨み付けるしか出来なかった。