さよならも言えなかった。


なにも、言えなかった。


ただ、最悪な思い出を残して


大地は、あたしの前から。


みんなの前から、姿を消した。


みんなが、みんな。


彼女じゃなくて、あたしに


大地のことを、知らせに来た。


でも、なにも思わなかった。


迷惑とも、嬉しいとも。なにも。



それから、また月日は流れ


あたしは、中学生になった。


大地とは、連絡をとってる人も

今では、たくさんいる。


だけど、誰もどこに引っ越したかは


教えてもらえないみたい。