「もぉそろそろいいかなカナノちゃん笑」


「はっ!?」


私はこの間ずっと無意識にヤマト先輩のワイシャツの胸を掴んでいた。

バッと手を離すとヤマト先輩はニヤニヤと私を地面に下ろした。


「ここって、屋上?」


「そ。」


私はヤマト先輩に連れられている間周りを全く見ていなくてどこに連れられているかわからなかった。
屋上に出る1歩前のドアの前に降ろされた。


「行こっか」


「え、あ、はい。」


いきなりの何処か悲しそうな声のヤマト先輩のセリフに動揺してしまい声がかすれた。

なんだか、変な気分だ。


時刻はすでに2時間目の授業中。
こんな展開にチャイムの音すら耳に入っていなかった。

なんだか今日は時が進むのが早く感じる。

いや、遅くも感じる。


ヤマト先輩が屋上の扉を開けた。

それにつられて私も一緒に外へ。