「あれ…大和様?」
「うっそ、誰あのお姫様抱っこしてる女の子、彼女?」
予想以上に予想以上だった。
なに大和様ってサマってなに。聞いたことない。
校舎でもお姫様抱っこで歩くヤマト先輩の腕の中、私はてきるだけバレないようにと顔をかくしていた。
「なにお前必死すぎ笑」
「ってなんなんですかもう恥ずかしいです…早く!!」
「へいへい…」
なんなんだこの人!
余裕ぶっこいでるけど絶対私後々《ヤマトサマクラブ 》に殺されるんですけど。
っていうかなんで会って1時間くらいの他人にお姫様抱っこされて学校を練り歩く展開!?
周りががやがやするのを平然とヤマト先輩は廊下をズカズカ歩き階段を上り…。
「っ…」
人気の無さを感じた私はむくりと顔を上げた。