「あの…先輩、何処に…。」


見たことのある場所。
だってここ。


「学校じゃないですか!!!!!!」


「んだよ。」


いやなんなの学校休むって言ったじゃん!!
馬鹿なの!?

すでに時計は10時30分。
今更って感じ。

新学期そうそう、こんな時間に来たら笑いものどころか変な噂が流れそう。


「ほら、行くぞ」


「いやっ…!」



!?予想以上に力が強い!!


「なんだよお前、学校急いでたじゃん。」


「いや、いいましたよね!?今日は休むって!!なんで連れて来られなきゃ行けないんですか!?」


「だって…俺が学校行くから。」


あっ、そうだ私ヤマト先輩と同じ学校なんだ。
ってなんだこのクソヤン!!学校は行くのかよ、真面目かよ!!


「ったく抵抗しかしねぇな。」


「はっ!?」


次の瞬間ふわっと体が浮いた。

なにこれ。
お…。お。


お姫様抱っこ!?!?


「ちょっなにするんですか!?」


「だって動こうとしねぇし、ならば力ずくで…。」


「いや、展開がよくわからないです!!」


「俺さーカナノちゃんに見せたいのあんの。」


「いやぁぁっっ!!」


「聞いてねぇし…」


休み時間を告げるチャイムの音。
ヤマト先輩は私を持ち上げたまま、校舎に向かう。


え、ちょっとまって。


いや今校舎入ったら休み時間だよ、みんないるじゃん!?


「先輩!!おろし…」


「やーだ。生意気なやつの言うことなんか聞いてたまるか。」


…最悪だ。

きっと始まる、新学期そうそう
顔は中の下、学力は下。
そんな女が…だれだこの先輩。

いや、意外と有名な人かもしれない。
私が先輩とか興味ないだけだったのかな。

そんなこんなで抵抗の気力も失せ、私は先輩の胸の中、顔を隠すのが精一杯だった。