「ふーん。なんだ別にサボリとかじゃねぇのか。」
「当たり前じゃないですか。私そういうの嫌いなんです。ってか私の反応でわかりませんか??」
約10分前くらい。
私は死を覚悟していた。
ヤンキー男から伸びる手。
『殴られる』
それしか考えていなくて目を瞑った。
だけどその手は予想以上に優しく頭の上で2回、ポンポンとバウンドした。
『調子いいじゃん、お前見たいなのに久々に会えたわ。』
さっきとは真逆のなんともいえぬビックスマイル!!
とても優しい笑顔でニカッと笑うその姿は何故か懐かしく感じる。
懐かしく?なんだろう、会ったことも無いこんなチャラ男ヤンキーに…?
『あっあの本当すみません。自分そうゆうのすぐ口にしちゃう人で…えっと…。本当にすみま…』
『しつけーよ、もういいわ。それより学校はもういいんですか?』
『あぁぁぁっ!?』
カバンの中のスマートフォンを取り出して時刻をみるとすでに10時近くだった。
あぁ…詰んだ。
笑えない…。
絶望を感じた表情をしてるだろう私は半笑いで頭をわしゃわしゃした。
『いや、もういいんです。今日はもう…休みます。』
苦笑いでへへっと少しヘラヘラしてみる。
内心もうこの男に殴られて召された方がましだったのではないかと思うくらい…。
『まじで、うける、それ。』
いやなにがうけるんだよ。
ニヤニヤ笑う男を見て私は少し表情がぴきっとなった。
とりあえず退散せねば。
『あの…すみませんでした、私そろそろ…』
『ねぇ学校行かないんでしょ?』
『えっ…あ、はい…今日は…』
なんか嫌な予感がする。
なんかこんな感じの展開、本かアニメとかで見たことあるかもしれない。