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「昨日ミーコがさー」

 
次の日、ハチは上機嫌にミーコの話をしていた。

この様子だと例の件のことはまだハチに知られてないらしい。あとで田村くんにお礼を言っておかなきゃ。

……と言ってもまだバレる可能性は現在進行形なんだけど。


「あ、見て見て。あの子……」

私に対する視線が冷たい。


結局私はあれから家に帰ってアドレスだけは別のものに変更した。ラインはどうしようか迷い中だけど携帯番号もその内変えるつもり。

私はそのあと健二くんに一応メールだけした。

ジュースを奢ってもらったし、わざわざ紙を渡してくれたのにそのまま無視するのは心苦しかったから。


「え、なにそれ。どういうこと?」

一応健二くんのことは裕子にだけ話した。


「鈴高男子ってことはレベル高くない?そんな漫画みたいな出逢いありえるの?」

「それを私に言われても……」


そもそも出逢いって言葉の方が違和感。

もう会うことはないと思うし、いい人そうだったけど今の私はそんなことを考えてる場合じゃなくて。


「八島くんにその健二くんのこと話した?」

「え、言ってないよ」

ハチはミーコの話に夢中だったし、わざわざ言う必要もない気がして。

ハチだって私には事後報告だし、栗原先輩のことだって全然話してこないもん。