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「あれ?なんか今日機嫌いいね」

次の日。学校に着いて1限目の授業の準備をしていると祐子がいつものように前の席に座った。


「あ、おはよう。んー機嫌?べつに普通だよ?」

「だって今鼻唄うたってたじゃん」

「え、嘘……」

「ふふふーんって。もしかして自覚なかったの?」

ひとりで鼻唄とか恥ずかしい……!

まぁ、今日は珍しくハチの寝起きがよくてゆっくりと登校できたし機嫌がいいと言えばいい。


「あ、なにこれ!可愛いっ!」

祐子が見つけたのはハチからもらったシャーペン。筆箱に入らないから学校ではウサギ、家ではパンダ、テストではネコと使い分けを昨日勝手に決めた。

祐子はウサギのシャーペンを持ってバネが付いている首が左右に揺らしている。


「ハチがくれたの。誕生日プレゼントだって」

勿論、祐子がくれたクマの人形とプリザーブドフラワーは部屋の一番目立つ場所に飾ってある。

「ふーん。だから機嫌がいいのか」

祐子はなにやらひとりで納得していて口元を緩ませていた。