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「七海~!ちょっと手伝ってー」
それから数日後、学校から帰宅するとお母さんがどこからか叫んでいた。
それは物置部屋と化している一室。
「げ、なにやってんの」
ただでさえ足の踏み場がないほどガラクタが積み上がっていたのに、荷物はお母さんの手によって乱雑に広げられていた。
「朝から整理してるのになかなか片付かなくて。
七海の物もいっぱい見つけたから確認していらないモノは袋に詰めてちょうだい」
お母さんの悪いクセだ。
やらない時は全然やらないのにやりだすと止まらなくなって、あれもこれも手につける。
結果ゴミ屋敷状態になって私も手伝うことになる。
「もー、全部捨てちゃっていいってば。ってか小さい頃の洋服とかオモチャとか整理した時にいとこのマキちゃんにあげるからって取っておいたのお母さんじゃん」
ちなみにマキちゃんはまだ0才児。
そんなお母さんを反面教師にして私は物をため込まない性格になった。いらないと思ったものはすぐに処分するし。
私はとりあえず空き箱を適当に積んだ。
「ってか靴の箱とかいるの?」
「またしまう時使うでしょ」
私はため息で返事を返した。
「あ、そうそう水色のアルバム知らない?それをずっと探してるのよ」
「アルバム?」