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「え!?八島くんと栗原先輩がキスしてた?」

大声で復唱する祐子の口を慌てて塞いだ。


「しー!声が大きいよ」

「ごめんごめん」

告げ口みたいであんまりよくないけど見ちゃったものは見ちゃったし、本人には言えないし。

だから2限目の休み時間、なんとなく時間は余ってるしで祐子にだけは言ってみた。

祐子は恋愛豊富だし彼氏もいるし別に「ふーん」
って感じだと思ったのに予想以上に驚いてて私もビックリ。


「いや、付き合ってるんだから普通のことだけどさ。でもそれを見た七海のタイミングにビックリってゆーか、うん」


私もビックリだよ。

きっとどこかに行った帰りにあの公園に寄ったんだろうけど、まさかあんな場所でキスするとは思わないじゃん。


「まぁ、そんな無防備なところでするってことはもう何回かしてるね」

「う、え?そ、そうなの?」

「当たり前じゃん!もう帰るからまたね~のキスは初めてじゃないよ」


た、確かにそうかも。

恥じらいも照れもなかったし。なんか自然にそういうことになってたから私も見ちゃったわけで。

もう少し雰囲気出してくれたら私も察して立ち止まることはなかったよ。多分。