「やったー」


満面の笑みを浮かべる実音の手にはピンク色の紙に包まれた小さな箱。


中身は俺が横取りした高級チョコ。


4つしか入ってないくせに1000円超えとか高校生の財布にはマジで厳しい!


まぁ、隣で大切な人が嬉しそうにはしゃいでるからまぁいっか。


「これでフリスクのことも許してあげる」


お互いの気持ちがわかったあの日、俺たちは晴れてカレカノになったわけだけど、そこで実音に打ち明けられた。


友達にフリスクをプレゼントしたことが本当にショックだった、と。


慌ててあれはただのノリで、プレゼントなんて意識は全くないって釈明したけど、どうも納得していないみたいだったから、今日は一緒にチョコを買いに行こうと誘ってみた。


この嬉しそうな笑顔見たら、大成功かな。