「そう言うのってどうしたら嘘っぽくならないの?」


思わずそう口にしてから、咲斗の表情が少し深刻になったのを感じて明るく笑う。


「俺が優しくしても嘘っぽくなるだけっつーか。ほら、次、体育だから早めに行こうぜ」


そう言って席を立ち上がる。


「俺はそうは思わない」


見下ろした咲斗は迷いの一切ない目で俺を見ていた。


「いつも調子いい陽太が真剣に話せば、俺ならむしろ信じるけどね」


咲斗は立ち上がると、カバンを持って歩き出す。


その後に付いて行きながら思う。


調子いい部分は一切しまって真剣に話せば伝わるかな。


意地悪し続ければ可能性はゼロだ。


真剣に話せばその現状が変わる。


それなら。