教室までの廊下を歩く。
体調なんて全く悪くない。
気持ちさえ切り替えられればちゃんと練習だって続けられる。
それでも俺は部活を早退した。
思えば早退なんて入部以来初めてだ。
それぐらい俺はすべてをかけてバスケをやってきた。
それなのに、彼女とちょっとあったくらいで何だ、このざまは。
情けない。
だけどそれほどに莉菜子の存在が俺にとって重要だってことだ。
わかってしまった。
気付いてしまった。
莉菜子がいなきゃダメだ。
気付きたくなかった。
知りたくなかった。
だけど紛れもない本音だ。
俺は莉菜子の存在にどんな時も支えられてきた。