「藹革さん!」



掎蹟と共に、ライオットシールドを携えた機動隊が周りを囲む。



殊犂と同じく蜜穿を探していたのだが、銃声を聞いた為、近くで発生した立てこもり事案に駆り出されていた機動隊数人を許可を貰って出動させた。



「黄縁叡執やな!銃から手を離さんかい!」


「離せゆわれて離すアホがどこにおんねん。みつばち、お前に最後のチャンスをやるわ。」



叡執は鼻で笑い、蜜穿に問う。



銃口が殊犂に向けられている以上、掎蹟や機動隊は身動きが取れない。



「お前が恥ずかしないよう、困らんよう俺はお前の為にしてきたんや。お前、自分の立場ちゅーもん分かっとるな?」



差し出し、差し伸べ、掴まえた手に、


叡執が握っていたのは、いつだって蜜穿の思考をオールクリアにするもの。



叡執の言葉で創った、蜜穿をがんじがらめに縛る専用のマインドセットという名の鎖。


その先に繋がる首を締める輪っかで、ホールドアップされた。



蜜穿が呼吸困難を認識したって、止まらない。



「お前は賢いさかい、出来るな?俺が今何望んどるか分かるな?」



言い聞かせるように言うが、叡執の態度は自信たっぷりだ。