「1度しかない飴魏蜜穿の人生は、飴魏蜜穿のものだ。貴様のものではない。」



「みつばちは俺のモンや。俺が育てたんや。」


「育てた?奪ったの間違いじゃないのか。」



叡執の為に生きる人生を造りあげた。


だが、もっと我が儘で利己的になっていいんだと殊犂は思っている。



誰かの……叡執の為なんかじゃない、自分の為に生きて欲しい。



そうすれば時折見た悲しみを含んだものではなくて、あの時みたいに心から笑えるから。


これからの大切な人達と、今までよりもっと笑い合えるから。



「前に似たようなことを言ったかもしれないが、自分の身を守る為に現状から逃げることと、自分の未来を諦めて命を投げ出すことは、行動は同じようでも意味が全く異なってくる。」



他人の為には、まず自分を変えた方が手っ取り早いことは確か。


ハニービーの件は、決着だってついている。



「貴様、自分の気持ちに気付かないフリして感情を封じ込めなくてもいいと言っただろ。あれだけ頭の回る貴様が、他人の感情ぐらい理解出来てるはずだろ。俺のことばかり気にしているようだがな、俺はもう当事者なんだ、傍観者などでいられるわけがない。」