「そんなことより、飴魏蜜穿はどこだ!」



店内に姿が見えない蜜穿を探す。



「なんや最近、えらい蜜穿にご執心やな~」


「偽ハニービーのことがあってからやんな。まさか、ことりっち、蜜穿様のこと……」



「そ、そんなわけあるか!仕事だ、仕事!根拠の無いことを言うな!」



殊犂は否定するが、涓畤壟や柿蒲の言う通り鰍掩から蜜穿へ目的が変化していた。



「好きになるんに理由なんかあれへんで!姿形、性格や価値観やなんて後付けや。思ったら一直線や!」


「例え結果があかんくても、駄目やったちゅー成果は得られる。せやから無駄やない。非効率は時に有益やさかいにな。」



アルコールが回って、楮筬も鰍掩もいつになく饒舌だ。



「そうや、ことりちゃん!当たって砕けろやで!」


「砕けちゃあかんと思うで。」



砕けること前提の涓畤壟に、剣は苦笑いで言った。



「だから、違うと言ってるだろう!」


「蜜穿ちゃんやったら風邪気味みたいやったし、家におるんとちゃいます?」



「風邪…、失礼する。」


「頑張れな~」



一瞬考える素振りを見せ踵を返した殊犂を、涓畤壟は楽しそうに見送った。