だったらどこにいるの!? と聞かれても、正直に話せるような場所じゃない!


『昨日はごめんねぇ~!? 誕生日、お祝い行くって言ってたのに…』


そう。昨日、なべっちはうちには来れなかった。

やはりラブラブのカップルは違う。

一緒に過ごす1分1秒が全て宝物で、片時も離れたくない!と思うものだ。

それに、あたしも昨日は会えなかった。

…色んなことがありすぎて。


「ぜーんぜん。全然いいよ~?やっぱり初クリスマスは特別だもんね?楽しかった?」

『そりゃぁもう!』


なべっちの幸せオーラが全開だ。


『でね。知枝里。あたしね…』

「うん?」

『イブにね、お泊とまりしちゃった』

「……………………、えーーーーーっ!!!!!」


衝撃的な事実に、目ん玉が飛び出るかと思った。


「う、うそ…!」

『ホ・ン・ト!だから昨日は、なかなか帰りたくなくて…』


“あたし、今夜は帰りたくない…”


(って、昔のドラマの世界だけだと思ってたのに…!!!!!!)


ガーンガーンガーン…と、ショックの鐘が108回鳴ろうとしている。


『でね?知枝里』

「うん…?」


泣きたいのを我慢して、相槌を打つ。


『今夜、知枝里んちに泊まるってことにしてくれない?』

「へ…?どういう…?」

『ほら。雑誌でよくあるアリバイよ、アリバイ』

「…………、」


――なべっちよ。

1ヶ月前まで同じラインに立っていたのに…。


(今ではこんなに雲泥の差がぁ~~~っ!!!)


そこまで思って、ハッとする。


「なべっち」

『え、なに。アリバイ、無理?』

「あたしの、アリバイにもなって。」

『…………へ?』


今度はなべっちが、素っ頓狂な声を出した。