そうそうこの男、細いくせに結構大食漢。

嫌いなものも「これキライ」と言いながら、全部食べる。

食べている姿を見ているのもどうかと思い、あたしは席を外そうとした。


「―――!」


するとすかさず腕を掴まれた。


「……え…、」

「どこ行くの?」


小さく寄せた眉で、あたしを見上げる。

その瞳は反則だ。

何だかあたしが悪いこと、した気分になる…!


「た、ただの膝の運動!」


よっこらしょ、とベッドの傍に寄せていた椅子に再び座った。

安堂くんはあたしが座ったのを確認すると、再び食べはじめた。