「ああ~!!! 素敵!見た!? 今のあの笑顔見た!?」


隣でナッチが、目をハートにしてあたしの手を握っている。


「み、…見たよ。ちゃんと見た見た」


安堂くんの奴、いつもは全然笑わないくせに、こういう時だけ笑うんだから。

もしかしてホントは、モテること、嬉しいんじゃないの?


「あの、ちゃんと笑わないとこがイイよね!? 口端だけでフッて笑う感じが可愛いってゆーか、いじめて欲しいってゆーか!」

「…………、」


隣の友達は完ッ全にヤラれてる。


「あっ、ほら行くよ!安堂くんを尾行しなきゃ!」


なぜか今日、告白するってことになって、ナッチに手を引かれていた。

あたしはまだ、心の準備が…!

そう言ったけど、心の準備なんて、してたら数年かかるからするのはやめなさい!と言われた。

やはり、恋愛の先輩は格が違う。


「今日こそ、安堂くんの家、発見しなきゃ!!」

「…………。」


もしかしなくても、目的は1つじゃないのかもしれない。