その足音の正体は、お父さんだった。

蔵の扉から日の光が入ってきて、ゆっくりと鈍い影ができる。


一目でお父さんだと分かった。
長身な体が、心配そうにのぞいているのが見える。



わーっ!!なんていいタイミングにあらわれるの!?


なんて心で突っ込みを入れてびっくりして、あわてて立ち上がった。

巻物はそのままで、存在感をしめすように近くで広がったままだった。



「おーい?奈都か?…って何やってるんだ??!」


また何かやらかしたのか?と、お父さんの盛大な溜息におろおろと目を彷徨わせる。