「貴重な遺産だったり……?これは、先祖の人の名前かな?なんか高価な感じするし、しまっとこ」


どことなく威圧感を感じるこの巻物に、気味が悪くなったので、早々にしまっておこうと思って蔵の箱の中に入れようとした。 


危険な香りがするこの巻物。

先程まであれだけ見たいという欲求が膨れ上がってきたのに、今度は本能が、触れてはいけないと騒ぐ。



「んー、今日の星座占い8位くらいだっけなあ…人生を狂わす代物に出会う日、だったような気が…」


よっこらしょーと足の指に力を入れて、高い位置にある箱に手探りで戻そうと試みる。



「あっ…」


しまった。



――ドンッ


妙に、その音が響いた気がした。


自分自身の中で、弾けた音と共に――。