いつもの場所で、校長の長い長い話を聞いてるよ。
今は特に体育館って冷え込むよねー…。
「えー、これで終わりなんだが。朝にね、いいお知らせを聞いたからそれを話したいと思う。背筋を伸ばして聞けよ?」
はいはい。
早く話して終わってよ。
「ここに通う生徒が昨日、おばあさんが困ってるとこ助けたらしい。それも荷物を家まで運んだそうだ。皆も見習うんだぞ。」
「ブッ!」
「どうした?校長の話に何かあったか?」
「あ、いえ!お気になさらずー…」
いやいや、その話まるっきり私でしょ!?
いつそんな情報が学校に知られたのっ。
恥ずかしいわ!
「ちなみに朝そのおばあさんが電話をわざわざよこしてくれてなぁ。ぜひお礼を言わせて欲しいと。残念ながら名前は不明だが拍手を。」
大きな拍手が体育館中に響いた。
良かった…名前が不明で!
知られてたら最悪だったからね。