学校までの道のりをゆっくり歩いていく。


今日は時間に余裕あるからね。



『おはよう!昨日の深夜やってた番組見たぁー?!』

『見た見たーっ!!あれはヤバイよね!?壁ドンとかされたぁーい』


後ろから聞こえてくる女子の会話。


同じ制服だし。


もしかしてお母さんの見てた番組かな。


お母さんもまだ壁ドンにときめいちゃう年齢……?


いやいや、ときめいちゃダメでしょ。


だって壁ドンのどこがいいの?


ただ壁にドンッてされるだけで、狭いだけっていうか何というか。


ときめく理由がサッパリ分かりましぇん。


『あ、でもされるなら絶対にイケメンがいいーっ!山田先生とかぁ♪妄想するだけでもヤバイ!!』

『それいいっ!今度さぁー、頼みに行こうよ♪』


「え"…っ!!」

『ん?』


後ろを振り向くと、二人はキョトンとした同じ顔をしていた。