「明日、学校だろ?寝なくていーのか?」

純也が話しかけてくる。

そう時計の針はもうすぐ深夜1時を指そうとしていた。

「んーもう少し、どうせ学校で寝てるしね笑」

「そんな頑張りすぎんなよ」

純也は櫂の体調を気にしている。

「よし、ちょっと飲みに行くか」

練習を見てくれていたヒロさんが声をかけてくれた。

「えっいんすか!?櫂そろそろ行くぞ!」

さっきまで櫂の体調を心配していたのが嘘のように

櫂を飲みの席に誘った。

「わかりました、すぐ準備します!
純ちゃん、これ片付けるの手伝って〜」

「ったく仕方ねぇな、ヒロさん表で待っててください!
鍵閉めまでやってくんで!」


二人で片付けを始め鍵閉めまでやる。

「櫂は本当にタフだよなー」

「いや、しんどいけど高校のバスケのがもっとしんどかったわ笑」

櫂は小学校から始めたバスケを高校3年生まで続けた。

それが糧になっていることは間違いなかった。

バスケでの成績は結構すごいものだった。

個人戦ではなくチーム戦のバスケは一人一人の力が大きくなってくる。

高校では何年かぶりに出た県大会ではベスト4まで上り詰めた。

しかし、兄の弓道でのインターハイ出場、国体選手に選ばれたことなどを見ると

別の種目ではあっても兄に注目がいっても仕方のないものだった。

そんなことを思い出しながら片付けを終わらせた。

「さっ行きましょうか」

「純ちゃんサンキュー、とりあえず酒だー!」

「オメーはソフトドリンクだけどな」