5分もしないで終わった面接に拍子抜けし一人だけ会議室に戻る。


その中で学生の人たちがみんな実技試験を行っていた。

それが終わって一人ずつ面接へ。

その間美容学生たちがペラペラとおしゃべりを始めた。

誰も櫂に話しかけてくる人はいなかった。

みんなの面接が終わり、レスプショニストが合否の発表は

後日書面を郵送するとのことでその日は終わった。


帰りに美容学生の一人が話しかけてきた。

「お疲れさん!
 高校生でもこのサロン受けられんの?
 一人だけじゃん。すごいね」


「ハァ、いや特別に面接だけでもってお願いしたんですよ」


「そなんだ、頑張るね。
 あっ俺山口純也(やまぐちじゅんや)
 受かったら同期だろ!?
 多分俺受かってるからよろしくな、じゃぁなー」


その美容学生は一緒に来ていた学生の輪に戻っていった。

すごい自信だな

「あんな風に思えたら面接なんてビビらなくていいんだろうな」

櫂はぽつりと呟いた。





その2週間後合格通知が櫂の元へと届いた。



これが櫂を関東へと導いた

いや、櫂の運命を大きく変えた一通の手紙となった。



高校を卒業して都内へと引っ越し、学校とサロンワークの

大変な日常の始まりだった。