夏の暑さ、仕事終わりに飲む生ビールは最高だった。

それでもまだ櫂は18歳。

「さくらって酒飲めるの?」

「あんま飲めないからカシオレなんじゃん!
 ね、明日って何もないの?」

「んー特に予定はないかな。
 学校夏休み入ってから火曜が1日休みになったから結構ゆっくりできるんだよね」

「そっか、1日休みってないんだもんね。
 じゃぁ今日は遅くなっても平気だね」

次の日のことを考えなくていいように休みの前日にしてくれと言ったのだから。

「櫂くんってどんな人が好きなの?」

「んー尊敬できる人。
 あと俺自由奔放じゃん?それを許してくれる人かな」

「なにそれ笑
 浮気とかも許せってこと!?」

「じゃなくてさ、今は仕事に集中したいし
 だからって彼女作らないわけでもないけど
 そんな自由だけど、ふと気付いた時に隣にいてくれる人が
 いればいいなっとは思うよね」

「ふーん、やっぱ櫂くんって変わってるよね」

「そうか?
 さくらはどーなの?好きな人とか今はいんの?」

自分でも意地悪な質問だなと思いながらも直球で聞いてみた。

「んー、いるんだけどね。
 まだはっきり好きって言えない自分はいるかな
 でもすっごく気にはなってるの。自由人すぎてわからないけど」

「俺のこと言ってんの?笑」

冗談交じりでまたしても意地悪な質問をぶつけた。

櫂も夏休み前から少しずつさくらに惹かれ始めていたことは自分でも気付いていた。

ただ仕事に熱を入れることで忘れようとしていたことも確かではあった。