うーん。昨日はずっとひろの事考えててあまり眠れなかったや。授業の休み時間ぐったりしてると

「あかり~」

あ。この声は美咲だ。
彼女は相川 美咲(あいかわ みさき)私の親友。

黒くて艶のあるサラサラのロングヘアーに整った顔立ち。おまけに背も高くて、あと胸も…とにかくスタイル良くて頭もイイんだよ!

絵に書いたような美人!

それに比べて私は髪はセミロングで細いからすぐに絡まっちゃう。背も低いし胸もない。テストは毎回赤点ギリギリ。ほんと美咲羨ましいよ…。


「ね!明莉!」

なんかすっごく嬉しそう。

「なーに?美咲。」


「今日の放課後、蓮と遊びに行くんだけど友達を1人連れてくるんだって。明莉も一緒に行かない?」

七瀬 蓮(ななせ れん)くん。隣町の高校に通う美咲の彼氏。2人は付き合ってもうすぐ一年になるんだ。すっごくラブラブなんだよ。

「私はいいよ…ひろに悪いし。」

ちょっと考えてから断った。そんな私を見て美咲が半ば呆れた表情で言った。

「明莉。まだひろ君と付き合ってたの?はぁ…。あのさ、最近素っ気ないんでしょ?デートもあまりしてないみたいだし。付き合ってて楽しいの?」

楽しいかと聞かれると返事に困るんだよね。
電話で話しててもうわの空だったり、会えないかなって聞いても金欠って断られちゃうし。

そんなことを考えながら黙り込んでいると

「あのさ、たまにはもっと周りを見なよ。
もしかしたらひろくんよりいい人がいるかもしれないでしょ?とりあえずさ今日は明莉も一緒に行こ?」

「うん…そうだね。」

結局私は断れなかった。