『この、藤堂純恋を
敵に回すことと、一緒なのよ』


ふふふ、なんて零しながら、
彼女は本当に恐ろしいことを口にする。


この学園で、1番敵に回したら
いけない存在なのだ。スミレは。


「ぁ、そ、んな...」


ゆっくりと優雅に、
スミレは悪女さんに近づいてゆく。


悪女さんは、今にも泣き出しそうだ。


遠慮がちでありながらも、
スミレから離れようと後退する。


しかし、壁際まで追い詰められると、腰が抜けてしまったのかその場にズルズルと尻もちをついた。


「ゃ、ごめ、なさっ」


ついに泣き出してしまった。