「うう……体が痛い……」


腰だけじゃなくて、身体中がだるくて痛い。 熱が出た時と似てるけれど、今は病気じゃない……はず。たぶん。


腰を庇いながらよたよたとキッチンにたどり着き、水道水をコップに汲んで一気に飲みほす。どれだけ体が水分を欲しがってたか、喉が傷んだかを実感してた。


「今……何時だろ。え、6時?」


嘘、と思わず呟いた。朝の6時? 今の今までベッドルームで……レン王子に散々言えない事をされていた。時折意識を飛ばしてたけれど……まさか。朝まで一晩中離されないなんて思わなかった。


だって、弟たちは帰って来てない。だからせいぜい一時間かそこらと思っていたのだけど。おばあちゃんもいつの間にか姿を消していたし。別の部屋に待機していた、皐月さんと間宮さんすら見ない。


つまり、私とレン王子は二人きりで一晩過ごした訳で。


彼には、一晩思いっきり散々泣かされた。


(あ……あんな……恋人って……あんなすごいことを毎日してるの? 信じられない)


思い出すだけで羞恥心から軽く死にそうになる。絶対……弟達に見せたり聞かせたりしたくない。


だけど……


既に姿を消したレン王子を想い、そっと瞼を閉じてベッドの上に身体を投げ出した。


(私は……少しでも役に立ったなら……いい。レン王子にとって一時的な気まぐれや慰めに過ぎなくても……)