間近に琥珀色の瞳が見えて、あれ? ぬいぐるみを取ったんだと考えてた私は相当にのんき者だった。


彼が、私をソファに倒したと知ってどうしたんだろう? と疑問に思い見上げた。


「レン王子……?」

「…………」


私を見つめるレン王子の瞳に、珍しく揺らめく感情が浮かんでいる。いつもの空虚ではない……人間らしい心の動き。


それを見られたのが嬉しくて、彼の頬に手を伸ばしてそっと触れた。


「レン王子、私は……明後日にはちゃんとあなたとお別れします……でも。あと3日だけ……あなたのそばに居させてください。それだけで……私はしあわせです。他には何もいりません……私は……あなたがいるだけでしあわせなんです」


この気持ちがなんなのか、女性として未熟な私はすぐに言い表せる言葉がわからない。


だけど、自分なりに一生懸命に伝えようとした。大切な気持ちを。