私を心から気遣ってくれる先生の声は、とても心強くて温かかった。


「はい、大丈夫です。保坂先生がいてくださったので……」

『本当にね。それでね、アキが……保坂先生が言うとおり彼の家に泊めてもらったほうがいいと思うのよ』


アキ……って、保坂先生の下の名前? 秋彦のアキだよね?

先生たちっていったいどういう???


『私を信頼して安心してちょうだい。保坂先生は幼なじみで、彼のことはよーく知ってるから』

「ええっ!?」


衝撃の事実に私は思わず保坂先生を二度見した。

もっとも、先生は怪訝そうにするでもなく相変わらずの無表情だったけど……。


「し、知りませんでしたっ」

『そりゃそうよ、トップシークレットだもん』

「そ、そうだったんですね……」


私は懸命に頭の中を整理して冷静になろうとした。


『とりあえず彼のところは部屋も余っているし。大家族の私のとこより落ち着けるはずだから』

「わかりました」

『あと、あいつが清水さんをいきなり押し倒すなんてことはないと思うから安心して』

「ええっ」


れ、麗華先生いきなり何をっっ!


『あら、残念だった?』

「違います!」

『そう?』


電話の向こうで麗華先生は楽しそうにフフンと笑った。


『アキは仕事はできるけど、プライベートではとんだヘタレだからねぇ』

「麗華先生そんな……」

『まあ何かあったらいつでも連絡しなさい。じゃ、このまま切るわね。アキによろしくー』

「えっ!あっ……」


切れちゃった……。